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5月29日付の朝日新聞によると、政府は28日に産業競争力会議を開き、働いた時間と関係なく、成果に対して賃金を払う制度を導入する方針を決めたようだ。

この制度が導入されると、どんなに残業したとしても、それに見合う手当が支給されないので、労働者にとって不利になるという批判があるが、果たしてどうなのだろうか?ホワイトカラー・エグゼンプションと共にこの問題を考えることにしよう。

どの範囲が対象者となるのか


まず、成果に対して賃金を払う制度が導入されたとして、その対象者がどの範囲になるのかを知る必要がある。

民間議員案は、年収1千万円以上の高年収者で労使で合意した一般社員を対象とする。対象になる層は、中核・専門職で働く「幹部候補」などとしている。

これに対して厚生労働省案は、年収数千万円以上の世界レベルの高度専門職に限定している。例として、為替ディーラーやファンドマネジャーを挙げている。


民間議員案も厚生労働省案も、対象を一定範囲に限定しているので、全労働者が一律に残業代を支給されなくなるというわけではない。この辺りを勘違いしている御仁も多いと思われるので、まずは、この点をしっかりと認識してもらいたい。

先ほど、ホワイトカラー・エグゼンプションという言葉を使ったが、これは、事務職(ホワイトカラー)を労働時間規制の適用除外とすることだ。ホワイトカラーに対して、1日8時間労働の規制が取り払われ、時間ではなく成果で報酬が決められる。


新入社員を幹部候補生にすれば残業代の支給はゼロ


労働時間規制を取り払うホワイトカラー・エグゼンプションが導入されると、今後、新入社員を「幹部候補生」として採用し、残業代を支給しなくなる企業が出てくるのではないかという懸念が指摘されている。

これに対して、甘利経済再生相は、新入社員は対象外にすると述べている。例え、制度で新入社員を対象外とすることを決めなくても、新人を露骨に幹部候補生とするようなことは、そうそうなさそうだ。ただ、ホワイトカラー・エグゼンプションの対象者は、ある程度の勤務実績がある労働者に制限しておいた方が良いだろう。

また、安倍首相も、職務の範囲が明確で高い職業能力を有している者、希望しない者には適用しない、働き方の選択で賃金が減らないようにすると言及しているので、新入社員が強制的に幹部候補生となり、時間外労働に対して残業代が支給されないといったことにはならないと考えられる。


1日の労働時間を8時間以内に強制すればサービス残業はなくなる


昔から、超過勤務時間に対して残業代を支給しないといった企業が後を絶たず、何かと問題になっている。

最近では、企業側も巧妙になってきて、従業員を店長に昇進させて、労働時間規制の埒外に置くようなこともあるようだ。名目的には店長であるが、実質は雇われの身なので裁量権はない。そういった名目上の店長に抜擢し、長時間勤務を行わせれば、残業手当を支給しなくても良いのだから、企業としては人件費の圧縮が可能となる。


そもそも、こういった残業手当の不払いが問題となるのは、超過勤務時間に対して残業代を支給しなければならないという規制があるからだ。言い方を変えると、残業代を支給すれば、超過勤務が許されるという風潮になっている社会が問題なのだ。

最初から1日の労働時間は8時間以内にしなければならないと決めておけば、残業代不払いの問題は起こらない。なぜなら、超過勤務という概念がなくなるからだ。1日に9時間も10時間も従業員を働かせている企業には、国が罰を与えればよい。

ホワイトカラー・エグゼンプションを議論する前に1日の労働時間に上限を設定して、残業代の支給もなくすことが先だと思うのだが、どうだろうか。
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