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11月2日の読売新聞で、2003年度に14,016軒あった豆腐業者の数が、2012年度には9,059軒まで減っていることが報じられた。これは厚生労働省調べによるもので、実に3割以上の豆腐業者が廃業に追い込まれたことになる。
読売新聞の記事によると、輸入大豆の価格の高騰とスーパーの値下げ圧力に耐え切れなかったことが、その背景にあるようだ。

このまま豆腐業者の数は減り続けるのだろうか?

輸入大豆と国産大豆の入札価格を調べてみた


とにかく、まずは、大豆価格の推移を調べなければ、この問題の本質は見えてこないだろうと思い、2006年11月から2013年6月までの大豆の入札価格を輸入大豆と国産大豆で分けてグラフにしてみた。

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国内産大豆のグラフがところどころ切れているが、これは入札がなかった月が含まれていることが理由だ。単位は60kg当たり。

確かに輸入大豆の価格は2006年11月は2,000円程度だったのが、2013年に入った辺りからは4,000円程度にまで高騰している。実に2倍の差だ。一方の国内産大豆は乱高下が激しく、傾向をつかみにくいが、大体6,000円から10,000円の間で推移しているようだ。

次に国内での大豆の生産量と輸入量を調べてみた。下は1989年から2011年までの期間のグラフだ。

tofu2.gif

大豆の輸入量が2004年から減少しているのがわかる。輸入価格の高騰の原因は、輸入量の減少なのかもしれない。輸入量が減れば、落札価格が上がるだろうから、零細豆腐業者にとっては仕入コストの負担が増えそうだ。

それにしても国産大豆の生産量の少なさには驚く。2011年の国内産大豆の生産量は22万トンほどでしかない。一方の大豆の輸入量は280万トンもある。実に国産の10倍以上の大豆を輸入に頼っているわけだ。

では、大豆の輸入量が減っているということは、消費者は豆腐、厚揚げ、納豆などの大豆食品を食べなくなっているのだろうか?これも好奇心から知りたくなったので、1989年から2011年までの年間総消費量と1人当たり消費量をグラフにしてみた。

tofu3.gif

ここ数年、確かに消費量は落ちているようだが、平成に入ってからは、日本人の大豆食品の消費量にはほとんど変化がないと言えるのではないだろうか。総消費量だと1993年の77万トンが最も少なく、2004年の88万トンが最も多くなっている。国民1人当たりだと1993年と2011年の6.2kgが最も少なく、2004年の6.9kgが最も多い。消費量のグラフを見る限りでは、日本人の大豆消費が落ちているようには見えず、今後も今までと同じように推移すると思われる。

消費者は国産大豆を望んでいる


さて、ここからが本題だ。

廃業に追い込まれている、または、業績が芳しくない豆腐業者は、輸入大豆の価格高騰が経営を圧迫していると言っている。しかし、上で示した3つのグラフを見れば、国内産大豆は、そのほとんどが消費者のお腹の中に入っているが、輸入大豆の大部分は、日本国民の食用以外に使われていることがわる。

2011年の大豆の国内生産量は22万トン。それに対して国民が食べている大豆の総量は79万トンだ。つまり、我々日本国民が食べている大豆のうち57万トンが輸入大豆ということだ。先にも述べたが、国内産大豆のほとんどは、人間の食用となっている。この事実を知っていれば、わざわざ輸入大豆を使わなくても、国産大豆で豆腐を作れば、間違いなく売れるのだ。

輸入大豆で作った豆腐の方が安いから、それを買うという消費者も当然いる。しかし、輸入大豆よりも国産大豆の方が安心だから、国産の大豆食品を食べたいという消費者もたくさんいることを忘れてはいけない。筆者も豆腐や納豆を毎日食べているが、基本的に国産以外の大豆食品は食べない。食べるとしたら、加工されていて産地が分からないようなものだけだ。

国産大豆で作った豆腐は、輸入大豆で作った豆腐よりも小売価格は確かに高い。地元のスーパーでは、輸入大豆で作った豆腐は150g×3丁で98円程度で販売されている。これに対して、国産大豆で作った豆腐は158円から198円の間の価格設定となっている。国産の方が1.5倍から2倍ほども高いのにこちらを選ぶのは、やはり安心感があるからだ。特売で98円になっていようものなら、間違いなくまとめ買いする。

これに対して、輸入大豆で作られた豆腐や納豆を買うことはほとんどない。特売なら、かなり安くで買えるのになぜ買わないのかと聞く人もいるだろうが、そういう人はスーパーの売り場で豆腐や納豆をあまり買わないのだろう。輸入大豆で作られた豆腐や納豆は、常に特売並みの値段で売られている。だから、これよりも安くして売られていることはほとんどないのだ。

だったら、普段は高価な国産大豆で作られた豆腐や納豆を特売の時に輸入大豆並みの値段で買った方が得なわけだ。

輸入大豆が高騰しても元気な豆腐業者はいる


どの業界でもそうだが、景気が悪くても元気な企業は必ずある。豆腐業界で言えば、男前豆腐だろう。

男前豆腐は、他の豆腐業者の豆腐よりも高い。それもそのはずだ。原材料欄に記載されている大豆が日本産となっているからだ。男前豆腐は、どの豆腐を見ても原産国は日本だ。だから安心して買うことができる。

特に最近では、遺伝子組み換え作物を与えたラットは、そうでない作物を与えたラットよりもガンになる確率が高いということが、テレビ番組で何回も放送されている。それが事実かどうかわからないが、そんな映像を見たら不安になるのは当たり前だ。そして、食品の原材料欄にアメリカ産大豆と表示されていたら、例え遺伝子組み換えではないと記載されていても、敬遠したくなるだろう。

男前豆腐が国産大豆を使っているから安心というのもあるが、ちょっとした工夫もされているから、ついつい買ってしまう。下の写真は、特濃ケンちゃん豆腐という商品だ。

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見てもらえばわかるが、3つ入りの豆腐で、それぞれの豆腐の上には簡単なレシピが掲載されている。このレシピがなかなか秀逸なのだ。夏には、あっさり目のケンちゃん豆腐が売られていたが、そこには、きな粉と黒蜜をかけて食べるレシピが載っていた。暑い夏には、そういったさっぱりとしたものを食べたくなるから、思わず買い物かごの中にひとつ入れてしまった。

特濃ケンちゃん豆腐は、その名のとおり味が濃い。食感はプリンのように弾力があり、まるでデザートを食べているようだ。醤油、わさび、からし、一切必要ない。

こちらは、豆腐屋信吾という特大の豆腐だ。

otokomae2.jpg

550gもある。普段の販売価格は158円。輸入大豆で作られた同じくらいの大きさの豆腐が100円以下で売られているので、かなり高めの値段設定だ。特売になると98円になるから、その時には2つ買う。

スーパーで販売されている豆腐は、消費期限が近づくと20円引きや30円引きのシールが貼られるが、男前豆腐だけは期限が1日前に迫っていても貼られない。今まで何度も期限の迫っている男前豆腐を見たことがあるが、値引きシールが貼ってあるものを見たことがない。

これは、スーパー側が必ず売れるという自信があるから貼らないのかもしれない。もしくは、貼られた瞬間にすぐに買われてしまうのかもしれない。いずれにしても、男前豆腐の売れ行きは他の豆腐よりも良いようだ。

豆腐業者が国産大豆を使えば減反廃止後の米農家も助かる


ここまで長くなってしまったが、要は、消費者は輸入大豆で作った豆腐よりも国産大豆で作った豆腐を選んでいるということだ。幸いなことに大豆の消費量は20年以上ほとんど変化がないのだから、少々売値が高くなったところで、消費者は豆腐や納豆を買わなくなるということはない。

スーパーが値下げを要求してくるのは、輸入大豆で作った豆腐は安売りしてもなかなか売れないからだ。それだったら、輸入大豆を使わずに国産大豆を使って豆腐を作った方が、消費者も喜ぶだろう。

また、5年後の減反廃止がほぼ決まったことを考えれば、米農家が補助金なしで生き残っていくためには、米以外の作物を作る必要がある。もはや、米の需要が回復することはないだろうから、米農家は大豆を栽培した方が良い。これについては以下の記事で書いたので、興味があれば読んでいただきたい。

減反廃止で米農家は稲作を止めて大豆栽培に移行せよ

豆腐業者が、国産大豆を使って豆腐を生産すれば、国内の農家も救われる。国産大豆の供給量22万トンに対して需要は79万トンもある。今の3倍の生産量になっても、日本国民の欲求を満たすことができないのだから、国内の大豆栽培には将来性があると思うのだが、どうだろうか?
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