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米食品医薬品局(FDA)が11月7日にトランス脂肪酸を食品に使用することを全面的に禁止にする方針を固めた。海外の国々では、以前からトランス脂肪酸に関しては、食品に使用する場合に表示義務が課されたり、使用を制限されていた。しかし、日本では、使用制限どころか表示義務もないような状態で、食品加工メーカー、特にパンメーカーでは、現在も大量に使われている。

トランス脂肪酸を摂取し続けるとどうなるのか?


まず、トランス脂肪酸がどういうものなのかを簡単に説明しておこう。

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸に分類される。農林水産省のホームページの説明をざっくりとまとめると、不飽和脂肪酸にはシス型とトランス型の2種類がある。シス型は、脂肪酸の水素原子(H)が炭素(C)の二重結合をはさんで同じ側についているが、トランス型は、水素原子が炭素の二重結合をはさんでそれぞれ反対側についている。

これを読んでもよくわからない読者も多いことだろう。なので、別角度からトランス脂肪酸の害について説明する。

パンを食べる時にバターを塗るとしよう。バターは、固まっているから、バターナイフを使って焼きたてのパンに塗りやすい。しかし、バターは高価なので、もっと安価なパンに塗る油を作った方が消費者も喜ぶし、何よりメーカーの収益も上がると考えられた。そこで、作られたのがマーガリンだ。

マーガリンは植物油でできている。しかし、植物油はサラサラとしているため、そのままではパンに塗ることができない。そこで、植物油を常温でも固まるように水素を添加して融点を上げた。こうやってできたのがマーガリンなのだ。

マーガリンが問題とされるのは、常温で固まるということだ。常温で固まるということは、食品に塗られたマーガリンを食べると、血管内で固まる危険があると指摘する医師もいる。また、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アトピーなどのアレルギー疾患を引き起こす可能性を高めるとも言われている。

さらに、まだわからないことも多いのだが、マーガリンとクローン病の因果関係についても指摘する声がある。クローン病は、口腔から肛門にいたるまで消化器官全体に潰瘍を起こしてしまう難病だ。クローン病が厄介なのは、外敵から体を守る免疫機構が、自分自身の体を攻撃してしまう自己免疫を起こしてしまうことだ。自己免疫のわかりやすい例は花粉症だ。免疫機構が自分自身の体組織を敵とみなして攻撃し続けるから、なかなか治らない。

トランス脂肪酸は、血圧や血液の粘度などさまざまな体機能を微調整するプロスタグランジンというホルモンの生成を阻害するのではないかとも疑われている。プロスタグランジンが不足するとぜんそくや脳梗塞の原因となる。

こういった健康への悪影響が懸念されることから、2003年にWHOは、トランス脂肪酸の多量摂取がLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を増加させ心臓疾患リスクを高めることを指摘し、使用を規制するように勧告していた。それから10年。やっと、FDAがトランス脂肪酸の使用を段階的に禁止していくと発表した。これにより、年間2万件の心臓発作の予防と7千人の心臓疾患による死者を減らせるとしている。

マーガリンではなくバターを使用して身を守る


ここまで読めば、今後は、パンにはマーガリンではなく、バターを塗るようにした方が良いことがわかっただろう。

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しかし、バターはマーガリンよりも高価だ。マーガリンは300gで200円を切るくらいの値段で売られている。スーパーの特売だと150円程度まで下がる。ところが、バターは、マーガリンの倍程度の値段がする。高いものになると1,000円を超えるようなバターもある。

消費者にしてみれば、食パンに塗るバターにそれほど多くのお金は出せない。だから、安いマーガリンを選んでしまう。このような消費者心理に付け込んだかのようにマーガリンには、あたかもバターに思えるようなパッケージデザインのものもある。「バター風味」といったことが記載されているマーガリンもあり、低価格のバターかと間違って購入してしまった主婦の方もいるのではないだろうか。

おまけに昨今では、動物性よりも植物性の油の方が健康に良いというイメージがある。だから、マーガリンの箱に「植物性油脂を使用しています」と書かれていれば健康的だと思ってしまうが、それは「トランス脂肪酸を使っています」と読み替えると良いだろう。

バターを購入するときには、パッケージを十分に見て誤解のないように購入したいものだ。

菓子パンや惣菜パンだけでなく食パンやフランスパンにも注意


トランス脂肪酸の摂取に注意するためには、マーガリンを使わないこととマーガリンを使って調理されている菓子パンや惣菜パンを買わないことが重要だ。一見、アンパンやジャムパンのようにマーガリンが使われてなさそうなパンにだって含まれている。原材料を見れば簡単にわかる。

しかし、これだけでは、日常の食事からトランス脂肪酸を排除することはできない。なぜなら、食パンやフランスパンなどにもトランス脂肪酸が使われているからだ。

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パンを焼くときには油を使う。実は、この油もトランス脂肪酸なのだ。具体的にはショートニングという油で、これを使って焼いたパンが、非常に多い。今、食卓に残っている6枚切りの食パンの原材料名を見れば、きっとショートニングと書かれていることだろう。ショートニングの名が見つからなくても、マーガリンの記載があるのではないだろうか?

筆者は、1年ほど前までは、毎日のようにパンメーカーが製造したパンを食べていた。トランス脂肪酸が体に悪いということを知るまでだ。

トランス脂肪酸の害を知ってすぐにスーパーに視察に行った。そして、原材料名にマーガリンとショートニングが記載されていないパンを探したのだが、そのようなパンは、一つしか見つからなかった。それは、あるパンメーカーが作っている茶色の蒸しパンだ。それ以外のパンは、どれにもこれにもマーガリンやショートニングが入っている。特に自分のお気に入りのパンには、必ず両方が含まれていた。美味しいパンほど、トランス脂肪酸が多量に含まれていたわけだ。

それを知ってから、パンメーカーが製造するパンは一切買わないことにした。そして、地元のパン屋でパンを購入するようにしていたが、そもそも、町のパン屋で原材料名を表示しているところはほとんどない。だから、今では、パンを食べていない。

きっと日本のパンメーカーは、国内でトランス脂肪酸が規制されない限りは、自主的にマーガリンやショートニングの使用を止めないだろう。

しかし、このような状況なら、今、売上が伸び悩んでいる町のパン屋は絶好のチャンスだ。店のドアの前やパンの陳列棚に「当店のパンはマーガリンとショートニングを使用していません」というポップを置いておけばいいからだ。もちろん、このようなポップを置くからには、パンを焼くときにバターとラードを使わなければならない。こっそりと、マーガリンやショートニングを使っていてもいつかはばれる。どこかのホテルの食材偽装のように。

トランス脂肪酸は、人間が食品から絶対に摂取しなければならない必須脂肪酸ではない。それなら、健康被害の危険性がるかもしれないトランス脂肪酸を食事から排除しておいた方が無難だと思うのだが、どうだろうか。
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