上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2015年10月に消費税率を10%に引き上げる際、特定品目について軽減税率を適用すべき案を公明党が11月20日に示した。具体的には食品全般、新聞、書籍、雑誌に対して低い税率を課し、低所得者対策をすべきというものだ。

この公明党の案が採用されれば、最も身近な生活必需品である食品に低い税率が適用されるので、消費者の税負担は大幅に減ることになる。特に低所得者にとっては、ありがたい話だ。しかし、公明党の軽減税率に諸手を挙げて賛成というわけにはいかない。

酒類と外食は適用外


消費者の側からすると、軽減税率は確かに喜ばしいことだ。仮に食品は現行の5%の税率が適用されるとするのであれば、消費税率が10%に上がっても、税負担は半分で済む。毎日1,000円分の食品を購入した場合、50円安くなるのだから、1ヶ月だと1,500円も差が出ることになる。

こう考えると、庶民にとっては、「公明党がんばれ!」と応援したくなることだろう。

SN107_L.jpg


ただ、全ての食品に軽減税率を適用すべきだとは言っていない。酒類や外食は、いわゆる「ぜいたく品」扱いになるので、軽減税率を適用しないということだ。しかし、この考え方はどうなのだろうか?酒はぜいたく品というのなら、ジュースだってぜいたく品ではないか。それなのにジュースには軽減税率というのは、ちょっとおかしい気がする。麦茶は庶民的だから軽減税率、でも、コーヒーはぜいたく品だから10%なんてことも起こるのではないだろうか。

ぜいたく品かどうかという判断は、多分に恣意的な感情が入りやすい。いろいろと不平不満が出てきそうだ。

また、外食についても一律に軽減税率を適用しないというのはどうなのだろうか。高級レストランと牛丼チェーン店を同列に扱う訳にもいかないだろう。世のビジネスマンたちは、食費の節約のために安い牛丼を食べているのにこの行為が贅沢だというのではやりきれない。

他にも店内で食事をする場合とテイクアウトする場合で差をつけるのかどうかといった問題も出てくる。同じハンバーガーでも店内で食事をした場合には税率10%にし、ドライブスルーなら軽減税率にするのだろうか?また、この場合、店内で食事をしたハンバーガーの仕入にかかる消費税率は10%、テイクアウトの場合の仕入にかかる消費税は軽減税率とするのだろうか?

このような区別は、事業者の事務負担を増やすだけだ。そのため、経団連や日本商工会議所など6つの経済団体は、軽減税率の導入に反対している。

引き算的発想は不公平感を生む


筆者は軽減税率には反対だ。

公明党のように軽減税率を支持する人たちは、そもそも事業者の事務処理の手間を知らないのだろう。いちいち品目ごとに適用すべき税率が何%かといったことを調べながら事務処理するのは多分に費用がかかる。一律10%なら機械的な作業で事務処理が可能だ。

今回の軽減税率の適用に反対している経済団体も、軽減税率適用で得られる効果よりも増加する事務処理費用の方が高くなると予想しているのだろう。消費税率が上がることで懐が寒くなるのは消費者だけでなく企業だって同じだ。増税で消費者の買い控えが起こるだろうから売上の減少が予測されるからだ。その不利益を受ける企業が軽減税率に反対しているのだから、消費税率は一律で構わないのではないだろうか。

そもそも軽減税率を受け入れにくいのは、それが引き算的発想だからだ。

原則10%の消費税率であるが、特定品目だけ優遇して低い税率を適用するというのは、まさに引き算的発想である。しかし、引き算的発想では、公平な税負担が行われているとは感じにくい。

庶民が安い肉をスーパーで購入しているのに金持ちが通販で高級な黒毛和牛を購入しても、同じ食品だから軽減税率が適用される。これが公平だと思う人は少ないだろう。シシャモと鯛、鶏肉と牛肉、ミカンとマンゴー、エイヒレとフカヒレ、どれも食品ではあるが、ものによっては生活必需品に分類されるものもあれば、ぜいたく品に分類されるものもあるわけだ。

CM102_L.jpg

書籍や雑誌にしても、娯楽的な側面の強いものはぜいたく品だろう。でも、価格が安ければ庶民のちょっとした楽しみと考えることができるので、軽減税率にすべきだという意見も出てくるはずだ。もちろん、これは筆者の意見だから、そうではないという人もいるだろう。しかし、これが問題なのだ。人によって庶民的かぜいたくかは異なるのだから、特定の品目に軽減税率を適用すると不公平感が出るのは当然だ。だから、筆者は、引き算的発想の軽減税率はやめて、足し算的発想の税率を採用すべきだと考える。

足し算的発想の方が国民の理解を得やすい


足し算的発想の税率というのは、特定品目に対して税金を上乗せするという考え方だ。わかりやすい例は、たばこ税や酒税だ。たばこも酒もぜいたく品だから、税金が上乗せされていても、多くの国民は納得していることだろう。中には、発泡酒のような庶民的なアルコールには酒税をかけるべきではないという人もいるだろうが、飲まない人からすれば妥当だと思える税制だ。

ぜいたく品かどうかの判断が難しい品目については税率の上乗せをする必要はない。明らかにぜいたく品で、誰もが買えるものではない品目に課税すれば良い。

特に高価なものに対して適用すると効果的だろう。自動車やマイホームは、ある程度の経済力がなければ購入できないのだから、こういったものには消費税に加えて新たに高い税率を課す。現在でも、自動車税や不動産取得税などがあるが、そういった既存の税金の税率を上げるというのも良いだろう。

また、現在の消費税は、その名のとおり消費されて無くなるものにしか課税されない。そのため、土地のように消費されないものを購入しても消費税を納める必要はない。しかし、庶民の感覚からしたら土地転がしで儲けている人にはたくさん税金を納めて欲しいと思う。

株取引などの利殖目的の行為に対しても課税を強化すべきだろう。ギャンブルや宝くじも同様だ。

ただ、足し算的税制を採用するためには、基本となる消費税率をある程度低くしておく必要がある。税率を10%にし、さらに足し算的税率を採用すると、国民の税負担が増えてしまうからだ。

そこで、提案したいのが、消費税率は8%に抑え、2015年10月から足し算的税制を採用することだ。国民にすれば、自動車や土地など高い税率が課されるものは買わないという選択をすればいいので、家計の節約をしやすい。また、事業者にとっても、基本の消費税率は8%で統一されるので事務処理の手間が増えることはない。特定の品目については、消費税ではなく物品税など別の名称にして課税すれば良いだけだから、それほど手間はかからないだろう。

今から公明党は、足し算的税率を適用する品目を検討し修正案を出すべきだと思うが、どうだろうか。
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントの投稿

非公開コメント

PAGETOP

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。