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11月28日付の産経新聞によると、10月末の2千円札の発行残高が2千億円割れということだ。2千億円割れは2ヶ月連続で、流通枚数は全紙幣の1%以下に落ち込んでいる模様。

ここ数年、財布の中に2千円札が入ったことがない筆者にとっては、あってもなくても構わない紙幣なのだが、このまま消えゆくのは寂しい。何とか生き残る手だてはないものだろうか。

全紙幣の流通量


現在、国内で流通している紙幣は、1万円札、5千円札、2千円札、千円札、5百円札の5種類だ。いまだに5百円札が流通しているとは思わなかった。

2千円札が発行されたのは2000年のことだ。この年はミレニアム(千年紀)で沸き、沖縄サミットが行われたことから、それを記念して2千円札が発行された。2千円札には沖縄の首里城の守礼門が描かれており、今までの紙幣とはちょっと違った雰囲気があった。

2千円札が発行された2000年から2011年までの各紙幣の発行残高の推移をグラフにしてみた。なお、グラフ作成は、総務省統計局の「通貨流通高」を参考にした。

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1万円札の流通高が76兆円とあまりに多すぎるため、このグラフでは、他の紙幣の流通高がまったく把握できない。そこで、1万円札を除いた流通高をグラフにした。

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これでも、まだ千円札の流通高が多いので、他の紙幣の流通高がわかりにくいが、2千円札(赤い棒線)が5千円札や千円札と比較してかなり少ないことは理解できるだろう。

このグラフを見ると、2千円札が発行されてから最初の5年間は右肩上がりに流通高が伸びている。2004年には1兆円を超えており、良い具合に社会に受け入れられていたように思える。

しかし、2004年は特別な年だった。読者の中には忘れてしまっている人もいるかもしれないが、この年に1万円札、5千円札、千円札が新しくなった。新紙幣が出始めると、必ず、旧札を新札と交換しようという人々が銀行に殺到する。それに備えて銀行も新札を用意するわけだが、十分量を用意できない銀行もあった。そこで、新札の両替に枚数制限をしたのだが、その際、両替の不足を補うために2千円札も活用していたのだ。

つまり、2004年には新札特需があったわけだ。

流通枚数で5百円札に負けている


次に各紙幣の流通枚数の推移を見てみよう。1万円札と千円札の流通枚数が多いことは容易に想像できるので、ここでは5千円札、2千円札、500円札の流通枚数をグラフにした。

2senen3.gif

一時は5千円札を抜きそうな勢いだった2千円札の流通枚数だが、2004年を境に急激に減っている。驚くべきことに2006年に2千円札の流通枚数が5百円札のそれを下回っているではないか。5百円札を最後に見たのは、はるか昔のことだ。5百円硬貨が発行されて30年ほど経っているのにまだ5百円札がこんなに出回っているとは思わなかった。

しかし、なぜこうも2千円札の需要が少ないのだろうか。産経新聞によれば、ATMや自動販売機の多くが、2千円札に対応していないことが流通しにくい大きな理由だということだ。2千円札対応のATMや自販機に変更するのは技術的に問題ないが、需要が少ないこと、他の紙幣の保管枚数が減ることといった理由から、わざわざ費用をかけて2千円札対応にする利点がないようだ。

そう言えば、筆者も10年ほど前にパチンコに行こうとコンビニのATMで1万円を下ろしたら2千円札が5枚でてきたことがある。その時は何とも思わなかったのだが、パチンコ屋の玉貸し機が2千円札に対応しておらず、手に握りしめた2千円札を呆然と見つめていた思い出がある。

2千円札の需要がないから自販機を2千円札対応にしないということだが、自販機や両替機を2千円札対応にすれば、ちょっとは利用されるようになるのではないだろうか。とは言え、この不景気の世の中で、使われない紙幣のためにわざわざ自販機や両替機の改良のために費用をかける事業者も少ないだろう。

沖縄では流通している2千円札


すっかり目にする機会が減ってしまった2千円札だが、沖縄では多く流通しているようだ。

沖縄の歴史的遺産が描かれていることが流通量が多い理由らしい。2千円札が発行されて10年を迎えた2010年には、沖縄総合事務局庁舎ロビーで「二千円札発行10周年記念パネル展」が開催された。沖縄総合事務局が発行した「『頑張れ、二千円札!』発行10周年の取組み」では、「1999年10月に、当時の小渕首相が二千円札の発行を発表してから、翌2000年7月に発行されるまでの経緯やエピソードなどを新聞記事や写真などで紹介した」大型パネルが展示されたということが記述されている。

やはり、紙幣に地元の歴史的遺産が描かれていると愛着がわくのかもしれない。

2千円札の流通高を増やすにはどうすべきか


この地元愛をうまく利用すれば2千円札が流通するのではないだろうか。例えば、スカイツリーを描いた2千円札を発行すれば、東京での流通枚数が増えることが期待できないか。京都は五重塔、奈良は興福寺、長崎は出島、熊本はくまモンでいいか。とにかくご当地2千円札を発行すれば、流通枚数が増えるだろう。

ただ、同じ2千円札でも種類が多すぎると、逆に自販機や両替機で使えなくなる可能性もある。いちいちスカイツリーやくまモンを見分けるようにするのは費用がかかりそうだ。

それと偽札が出回る懸念もある。ふなっしーが描かれた偽2千円札で買い物した客がいても、店員はご当地2千円札だと思って、それが偽札であることに気付かないかもしれない。ご当地紙幣を流行らせるためには、偽札対策が重要となりそうだ。

2千円札の流通高を増やすためには、5千円札を廃止するという方法もある。

紙幣の種類が多いとかえって使い勝手が悪くなる。例えば、1,400円の商品を1万円で購入した場合、釣り銭は、5千円札1枚、2千円札1枚、千円札1枚、500円玉1枚、100円玉1枚の5種類となり金額は8,600円となる。通貨の種類が増えるほど、釣り銭間違いの危険性が増すので、できるだけ少ない方がいいのだ。

仮に5千円札が無くなっても、不便と感じる人はそれほどいないのではないだろうか。

2千円札が自販機で使えないのが不便という意見があるが、自販機で缶コーヒーを購入するのに5千円札を使う人もほとんどいないだろう。そもそも5千円札に対応している自販機もそれほど多くはない。2千円札が流通しないことについて、あれこれと理由をつける識者が多いが、単に今まで2千円札なるものが存在しなかったから、国民が慣れていないだけなのではないだろうか。

デパートやスーパーが、積極的に釣り銭に2千円札を使用し5千円札を扱わないようにすれば、自然と2千円札の流通枚数が増えると思うのだが、どうだろうか。
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