上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
11月中旬にセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が、インターネットを通じた商品やサービスの売上高を現在の7倍の1兆円にまで拡大する計画を公表して1ヶ月も経たないうちに通販業界に攻勢を仕掛けてきた。

同社は12月2日にカタログ通販大手のニッセンを連結子会社化することを発表。3日から株式公開買い付け(TOB)と第三者割当増資により、ニッセン・ホールディングスの議決権の50.1%を取得するということだ。

ネット通販事業の売上高は3千億円を超える見通し


セブン&アイがニッセンを買収したことで、売上高が1,500億円程度上乗せされることが見込まれる。

2012年度のニッセンの連結売上高は1,776億円だった。カタログ媒体やオンラインショッピングを通じた販売、仕入等の活動を行うコマース事業の売上が1,703億円と大部分を占めており、この部分がセブン&アイのネット通販事業の売上増加部分になると思われる。これによりセブン&アイのネット通販事業の売上高は3,000億円を超えることになるだろう。

nissen.gif

ニッセンの有価証券報告書を見ると、2008年の連結売上高は1,500億円を超えていたが、その後は、じわじわと落ち込み2011年度には1,400億円程度となっている。2012年度は1,700億円を超えたが、これは、シャディ株式会社を100%子会社としたことによる売上高の上乗せがあったことが理由だ。

シャディの売上高を取り込んだにもかかわらず、20億円を常に超えていた経常利益が9億円にまで落ち込んでいるのを見ると、業績は良くないのだろう。2012年度は、中長期的なリピート率の改善のための投資を行い、それにより減価償却費が増加したことが経常利益減少の理由のひとつのようだ。シャディを取り込んだことによるシステム入替の混乱も利益減に影響を与えたということだ。

買付価格は410円


セブン&アイのプレスリリースによれば、今回の株式公開買い付けの買付価格は410円ということだ。セブン&アイは、ニッセンの大株主であるUCC、THN、THNケイマンが保有しているニッセン株式合わせて18,444,400株、議決権のうち30.4%を取得する。

買付予定数は30,786,100株なので、残りは上記3社以外からの取得と第三者割当増資を引き受けて、議決権割合を50.1%とする予定だ。取得費用は約126億円。ネット売上1兆円を目指すセブン&アイにとっては安い買い物と言えそうだ。

セブン&アイのプレスリリースによると、今回の買付価格は、市場株価法、類似会社比較法、DCF法によって算定された1株当たりの株式価値をもとに決定されたということだ。
  • 市場株価法=317円から322円
  • 類似会社比較法=371円から379円
  • DCF法=340円から494円

DCF法とは、今回の株式公開買い付けにより、将来得られるであろうキャッシュフローを一定の利子率で割り引いた現在価値を計算して、企業価値を測る方法のことだ。例えば利子率が3%で、1年後に103円のキャッシュフローを得ることができると見積もられた場合、割引現在価値は、103円/(1+0.03)=100円となる。

公開買い付けにあたっては、これらの株式価値に過去の公開買い付けの事例によるプレミアムの上乗せ分、資本業務提携によるメリット、直近6ヶ月の市場株価動向、当事者との協議により買付価格410円が決定されたとプレスリリースには記載されている。また、今年に入ってからセブン&アイとニッセンとの間で資本業務提携についての協議が行われたわけだが、それ以前にも長年にわたって対話を繰り返してきた経緯があったということであり、今回の株式公開買い付けは、敵対的M&Aではないようだ。

セブンとニッセンの提携で通販の利便性が増す


今回のセブン&アイとニッセンの資本業務提携により、消費者の通販の利便性が増すことが期待される。

セブン&アイが運営するセブンネットショッピングでは、以前から全国にあるセブンイレブンの店舗での商品受け取りが可能であった。店舗受け取りを選ぶと送料や手数料がかからないので、消費者にとっては無駄な出費が無くて良い。また、商品の到着予定日に自宅で待機しておく必要もないので、時間的な制約もなくて便利だ。

この商品のセブンイレブン受け取りが、ニッセンの通販サイトで商品を注文した際にも利用できるようになる。

もしも、楽天とアマゾンで別々の商品を注文したら、それぞれに送料と手数料がかかってしまうことがあるが、セブンネットショッピングとニッセンを利用すれば、どちらも送料と手数料が無料だ。しかも、一度だけコンビニに行けば、まとめて荷物を受け取ることができるので時間の節約にもなる。

その他にもセブンネットショッピングとニッセンで、ポイントを共通利用できるようになるかもしれない。買物で貯まるポイントはできるだけ1ヶ所に集中させたいというのが消費者の希望だ。両社の提携により、ポイントを消化しやすい環境が生まれることに期待しよう。

現在、ネット通販は、楽天、アマゾン、ヤフーとそれ以外では大きな差がある。楽天は流通総額が1兆円を超えているし、アマゾンとヤフーも5,000億円以上の流通規模だ。しかし、それ以外は、売上高が1,000億円あれば上出来といった感じだ。

ネット通販は、ネット特化型の楽天、アマゾン、ヤフーが幅を利かせているが、セブンとニッセンの提携により力関係が変わる可能性がある。セブン&アイが楽天の流通規模を上回って国内1位のネット通販ショップとなるのも、それほど先の話ではないのかもしれない。
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントの投稿

非公開コメント

PAGETOP

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。