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12月5日に政府・与党が高収入のサラリーマンに対する所得税の増税の検討に入ったことが、6日の新聞各紙で報道された。高額所得者には多くの税金を負担していただきたいというのが筆者の考えであり、おそらく、同意見の人も多いことだろう。

高額所得者にとっては、不愉快な話だと思うが、これも立派な社会貢献だと考えていただき、今回の政府・与党の増税案には納得していただきたい。

高額給与所得者の給与所得控除の減額


高収入のサラリーマンの所得税の増税ということだが、具体的には、給与所得控除の額を減額する方向で検討しているようだ。

給与所得控除というのは簡単にいうと、給与所得者、すなわちサラリーマンやパート、アルバイトで生計を立てている人に認められている必要経費のことだ。給与所得者は基本的に確定申告の必要はなく、実際に仕事でかかった必要経費を申告しなくても、給与所得の額に応じて一定の必要経費を使ったことにしてもらえる。

現在、給与所得控除の最低額は65万となっている。これは、65万を経費として実際に使おうが使うまいが、税法上は経費を使ったことにしてくれるということだ。この給与所得控除は、給与等の収入額の増加に比例して増えるようになっている。例えば、年収500万円のサラリーマンなら154万円が給与所得控除額となるので、差引346万円が所得金額となるわけだ。なお、2012年分以前の給与所得控除額の計算については、以下の表を参考にしていただきたい。

kyuyoshotokukojo.gif

先ほども述べたが、給与所得控除はサラリーマンに認められている必要経費のことだ。果たして、年収500万円のサラリーマンのどれくらいが、154万円以上の必要経費を使っているだろうか?明らかに給与所得控除として認めている額が多すぎると思うが、今は、これには触れないことにしよう。

高額の収入を得ているサラリーマンの給与所得控除だが、すでに2013年分については、減額されることが決まっている。具体的には、年収1,500万円超のサラリーマンの場合は、給与所得控除額の上限が決められ、245万円になったのだ。

kyuyoshotokukojo2.gif

年収2,000万円でも年収1億円でも、必要経費が245万円しか認められないというのは、納得のいかないところもあるだろう。さすがに年収1億円のサラリーマンの場合は、毎年245万円以上は経費を使っていると思うのだが。

政府・与党の検討案


2013年分までの給与所得控除額は上記の通りだが、それ以降については、財務省が自民党税制調査会に以下のような3つの案を示している。
  1. 年収1,000万円超の給与所得控除額の上限を220万円に
  2. 年収1,200万円超の給与所得控除額の上限を230万円に
  3. 年収2,000万円以上の企業役員を対象に給与所得控除額を125万円に

このブログの読者は、どの案が良いと思うだろうか。こうやって3つ並ぶと間をとって「2」の案になりそうな気がするが、まだ、現在はどうなるかわからない。

なお、朝日新聞によると、「1」の場合だとサラリーマン全体の約4%が影響を受けることになるようだ。

年収2,000万円以上の会社役員の方にしてみたら、「2」案が最も増税額が少なくなるので、そうなることを願っていることだろう。年収1,000万円超や1,200万円超のサラリーマンの方なら、おそらく「3」案にしてほしいと思っているはずだ。

上記3つの案から筆者がひとつを選ぶなら「3」案だ。単に高額所得者に多くの税金を納めてもらいたいという主観から述べているのではない。根拠があって、「3」案を選ぶのだ。

先日、大企業にも交際費の損金算入を認めることを政府・与党が公表した。企業の交際費をある程度自由に使うことができるのは会社役員だ。入社数年の従業員には交際費を自由に使う権限などないのが一般的だ。おそらく、多くの会社では中堅社員でも交際費についての権限はないのではなかろうか。

そうすると、会社の交際費を使う権限を有している会社役員の給与所得控除を減額する方が公平だと言える。大企業の交際費が必要経費として認められていなかった時には、会社役員が自腹を切って交際費を使っていたことだろう。しかし、今後は、企業が交際費を支出することで節税が可能になる。だから、会社役員は、今後、自腹を切らなくても、会社の財布から交際費を出すことができる。それなら、会社役員の給与所得控除を減額するのが、最も妥当だろう。

給与所得控除そのものの廃止もあり


さて、筆者の本音であるが、そもそも給与所得控除自体が不要だと考えている。

現在、年収103万円までは所得税を納める必要はない。これは、給与所得控除額の最低額65万円に職業関係なく認められている基礎控除38万円を合計した金額だ。サラリーマンなら、年収103万円までは所得税を納める必要はないが、個人事業主の場合は38万円を超えたら所得税を納めなければならない。もちろん、個人事業主が青色申告をすれば、65万円の特別控除が認められるので、両者に差はないと言える。だが、青色申告は手間がかかるし、税理士に依頼しなければ申告が難しい。その費用を考えての65万円控除なのだ。

サラリーマンと個人事業主の年収が同じ500万円だった場合、前者の所得が346万円なのに対して後者は435万円だ。これはどう考えても不公平ではないか。だから、サラリーマンの給与所得控除を廃止すべきだと思うのだ。

もちろん単純に給与所得控除を廃止すると、税負担が急激に増加する。だから、給与所得控除を廃止する代わりに基礎控除を38万円から103万円に引き上げるのだ。そして、サラリーマンも必要経費の実費を確定申告すれば良い。こうすれば職業関係なく平等だ。基礎控除103万円が少ないというのなら、120万円でも150万円でも調整すればいい。とにかく職業によって税負担が異なるのが問題だと筆者は考えているのだ。

とは言え、現代の日本はサラリーマンが大多数を占めているから、給与所得控除が廃止されることはないだろう。そうすると、国の財源不足は、やはり、高収入の企業役員に負担していただくことになりそうだ。
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