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12月17日付の朝日新聞で、政府は、原子力損害賠償支援機構が保有している東電株式の売却益を福島第一原発の除染費用に使う方針を固めたことが報じられた。ただし、東電の再建に目途が立った時点でという条件は付いているのだが、筆者は、この方針に基本的に賛成だ。

売却益は国庫に戻すべきか?


原発機構が保有している東電株式の簿価は1兆円ということだ。簿価というのは、簡単にいうと買った時の値段ということだ。1株当たり900円で売却できれば2兆円の利益が出るということだが、16日の終値では524円ということなので、今すぐに売却しても2兆円の利益が出るわけではない。東電の再建に目途が立つまでは、900円まで株価は上がらないのかもしれない。

東電の試算では除染費用は最大で2兆5千億円と見込まれる。これに売却益2兆円が充当されれば、速やかな被災地の原状回復が期待できる。ただ、いつ再建の目途が立つのかわからないので、現時点では2兆円の売却益が発生するかどうはわからない。

しかし、東電株式の売却益を除染費用に充当することに対しては、批判もある。

破綻会社の経営再建を支援してきた産業再生機構が解散した時には、残余財産400億円以上を国庫に納めているし、政府保有のJT株式の売却代金1兆円も復興財源に使われている。このような経緯から、東電だけを特別扱いすべきではないというのだ。

果たして、東電株式の売却益を除染費用に充てることが東電を特別扱いすることになるのだろうか?

売却益を除染費用に使うことで一番喜ぶのは誰か。それは、被災者だ。すなわち、東電株式の売却益を除染費用に充てることは、被災者支援につながるわけだ。売却益をいったん国庫に戻してしまったら、何に使われるかわからない。除染費用に使われるかもしれないが、復興財源が別の用途で使われていた過去がある以上、2兆円全額が除染費用に回るかどうは疑わしい。それなら、東電株式の売却益を国庫に戻さず、直接、除染費用にあてた方が被災者保護につながるではないか。

原発再稼働が実現した場合でも株式売却益を除染費用に充てるべきか


12月16日付の産経新聞で、柏崎刈谷原発の全7基が再稼働したら電力料金を10年後に1兆円値下げする計画を東電が発表したことが報じられた。

もしも、東電のこの計画が実現した場合、東電株式の売却益を除染費用に充当すべきではないだろう。国民の多くは原発再稼働に反対だ。それなのに東電が原発を使って金儲けをするのなら、原発機構保有の東電株式を使ってまで除染費用を用立てる必要はない。東電も、原発依存から脱却するためにいろいろと費用がかかるだろうから、除染費用の一部を東電株式売却益で賄うことに筆者は賛成なのだ。

それなのに原発を再稼働するというのは、福島原発事故の教訓が何ら生かされていない。脱原発のためなら、電力料金の値上げにも応じられるが、原発再稼働なら電力料金値上げどころか、税金を使っての支援も認めるべきではないと思う。

原発事故後、東電の経営が厳しいのは理解できる。先日、関東のゴルフ場運営会社に原発事故での損失を補てんするために11億円を支払ったというニュースも見た。

東電も一刻も早く立ち直りたいと思っているのだろうが、そのために不幸を招いた原発を再稼働するという判断はいただけない。もう一度言うが、筆者は脱原発のために電力料金を値上げしても構わない。筆者と同じ考えの国民は少なくないはずだ。

東電が、原発以外の方法で電力供給する意思を示せば、東電株式の売却益を除染費用に充当することに反対する人は少なくなるだろう。
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