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1月7日付の朝日新聞で、印刷会社や出版社が今春から電子書籍を貸す電子図書館を増やすための支援サービスを本格化させることが報じられた。電子図書館の利用者はパソコンやスマートフォンで図書館が貸し出す電子書籍を読むことができる。貸出期間が過ぎるとデータが自動的に消えて読めなくなる仕組みなので、紙の本と違って返却する手間がない。また、同じ本を複数人が同時に読むことができるので、順番待ちも解消される。

このように利用者にとっては良いことばかりの電子図書館だが、法整備の面での問題があるようだ。

電子書籍の貸し出しは著作権法に規定がない


紙の本の場合、著作権法の規定があり図書館は無料で貸し出すことができる。しかし、電子書籍については、著作権法に規定がないので、本の貸与とはならず、公衆送信という位置づけになる。そのため、今後の法整備が課題になるということだ。

とは言え、電子書籍の貸与については、そのうちに法整備がなされるだろうから、それほど気にすることはないのかもしれない。ただ、違法コピーの問題は発生するだろうから、その防止策を講じる必要はあるだろう。

小さな図書館でも多くの本を扱える


電子図書館の最大の利点は、図書の保管場所が必要ないということだ。小さな図書館の場合、どうしても保管場所に限りがあるため、多くの図書を扱うことができない。また、古くなってほとんど利用者がいなくなった図書をそのまま保管し続けるか廃棄するかの判断も必要になるだろうが、電子書籍であれば、そのような心配事も無くなる。

電子書籍の取扱量が増えれば、保存するデータが多くなっていくが、ハードディスクなどの記憶媒体は日進月歩で進化しており、年々、大量のデータを保存することができるようになっている。そのため、電子書籍の取扱量が増えたからと言って、それほど気にする必要はない。

むしろ、古い図書をいつまでも保存しておけるというのが、電子図書館の利点と言える。

紙の本の場合、数十年前の雑誌類は、例え図書館に保管されていたとしても、普段は書庫に眠っているので、利用者が探すのが困難となっている。閲覧に特別の手続きが必要となる場合もあるだろう。

しかし、電子図書館であれば、どれだけ古い雑誌類でも、パソコンを使えば簡単に読むことができる。これなら数十年前に何が流行していたのかといった情報を簡単に取り出すことができ、ファッションの変遷や自動車の年代別デザイン比較などが容易に行える。小学校や中学校での学習にも役立つのではないだろうか。

出版業界の売上減少に拍車がかかる懸念


何かと便利なことが多そうな電子図書館ではあるが、出版業界の売上減少に拍車がかかる懸念がある。

新刊の発売日に電子図書館で閲覧が可能となるのなら、本を購入して読もうとする人が減るだろう。紙の本の場合は、1冊貸し出されると1週間から2週間は、他の人が読めなくなる。だから、村上春樹のような人気作家の新刊の場合、1ヶ月や2ヶ月は順番待ちとなることがよくある。

話題の新刊であればあるほど、すぐにでも読みたいというのが消費者心理だ。だから、図書館で借りて無料で読むよりも、購入して今すぐ読むという選択を採る人がいるわけだ。

ところが、電子図書館なら、同時に複数人が閲覧することが可能だ。大量のアクセスで、サーバーに負荷がかかりすぎダウンすることがなければ、何人でも発売日に新館を無料で読める。これは、出版社にとっては脅威といえるだろう。

しかし、講談社、KADOKAWA、紀伊国屋書店の3社が貸出業務を支援する日本電子図書館サービスを昨年設立していることから、こういったデメリットを克服する策があるのかもしれない。出版業界にとって脅威となるサービスを出版社が推進しようとしているのだから、きっと、今までよりも図書の売上が伸びるという期待があるのだろう。


筆者は、所得に関わらず誰もがたくさんの本を読むことができる電子図書館は素晴らしい施設だと思う。電子図書館ができると、図書館へ訪れて紙の本を読まなくなるという懸念もあるようだが、より多くの人が今までよりもたくさんの本を読めるようになるメリットと比較したら、大したデメリットではないだろう。

そして、本を読む習慣を身に付けた人が増えれば、きっと、出版業界の売上も伸びていくに違いない。
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