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3月27日に新聞各紙で、中国のレアアース規制が不当であると世界貿易機関(WTO)が認めたことが報じられた。

中国は、2010年の尖閣諸島沖での漁船衝突事件以後、日本へのレアース輸出を規制していた。これに対して、日本は、アメリカ、EUとともに中国が不当にレアアースの輸出を規制しているとして、2012年にWTOに提訴した。

環境保護を目的とした輸出規制


3月26日のWTOの判断に対して、中国は上訴すると見られている。

日米欧は、中国のレアアース輸出規制は、尖閣諸島沖の漁船衝突事件の報復と捉えているtが、中国側の主張は、資源と環境保護を目的とした輸出規制ということだ。これが事実であれば、中国の規制は致し方ないと思うが、WTOはそのようには判断しなかった。

中国の具体的な輸出規制は、輸出税や輸出数量制限であるが、WTOは、中国のこれらの対応は、実質的に国内の産業を優遇するためのもので正統性はないとしたのだ。

仮に中国が国内でもレアアースの利用を制限していたら、また違った結果となっていたのかもしれない。


中国が上級委員会でも敗れると


中国が上級委員会に上訴し、敗訴した場合には、半年から1年以内に是正措置を講じなければならない。つまり、輸出規制の廃止だ。

おそらく、上級委員会でも中国の主張は退けられるだろう。

だから、近いうちに中国のレアアース規制はなくなるはずだと思うだろうが、あまり楽観もできない。


3月26日付の産経新聞によると、中国が是正措置を講じなかった場合、日米欧は、中国製品に対して関税の引き上げなどの対抗措置ができるようだ。

しかし、関税の引き上げで中国に制裁を科したとして、誰が得するのだろうか?現在の日本国内の中国製品の流通量からすると、中国製品の関税が引き上げられると、日本国民の経済的負担が増えることになるのではなかろうか。

したたかな中国のことだ。その辺りも計算に入れて、レアアースの輸出規制を継続する可能性は十分にある。今回のWTOの判断だけでは、まだまだ安心できないと思っているのは、筆者だけではないはずだ。


安価な労働力を求めての国際化のツケ


90年代に多くの日本企業が、安価な労働力を魅力に感じ、中国へと進出した。

しかし、現在では、中国の賃金が上昇してきており、以前ほど人件費の面での魅力はなくなってきている。むしろ、レアアースの輸出規制のように中国政府の理不尽な経済制裁によって、不利益を受けることもあるのだから、そろそろ、中国への依存度を下げていく必要があるのではないだろうか?


最近では、インドが有望な進出先と見られているが、以前のように安価な人件費だけを目的に進出するべきではない。そもそも、企業の国際化は、労働力の搾取を目的として行うものではないはずだ。

進出先国の経済発展に貢献することで、日本企業も成長し、それが最終的には世界経済の発展へと向かわなければ意味がないと筆者は考えている。日本企業だけが儲かればよいという考え方では、軋轢が生まれ、それが新たな問題を引き起こすことにもなる。


人と人との交わりが広がることは、良いことのように思えるが、争いの原因が増えることになることも十分に理解しなければならない。それをわかったうえで国際化しなければ、再び、中国のレアアース規制のような問題が起こると思うのだが、どうだろうか。
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