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4月24日付の朝日新聞に「社外取締役実質義務づけ」という見出しの記事があった。

それによると、大企業に社外取締役の起用を求める会社法の改正案が23日に衆議院法務委員会で全会一致で可決され、今国会で成立する見通しとなったようだ。

日本企業は、コーポレートガバナンス(企業統治)の面で透明性に欠けるという指摘が以前からあったが、社外取締役を置くことで、その解消が期待される。

社外取締役の起用のポイント


朝日新聞に掲載されている今回の会社法改正案のポイントを簡単にまとめると、以下のようになる。

  1. 社外取締役を設置しない企業に対して株主総会での説明義務を課す
  2. 親族や親会社の役員は社外取締役や社外監査役とは認められない
  3. 取締役会に監査等委員会をつくり、不適格な取締役について株主総会で指摘できる
  4. 重要な子会社の売却には株主総会の特別決議(3分の2以上の多数で可決)を必要とする
  5. 親会社の株主が100%子会社の不祥事などで不利益を受けた場合、子会社の経営陣を訴えることができる


「1」の社外取締役を設置しない場合、株主総会で説明する義務が課されるので、よほどのことがない限り、大企業は、社外取締役を設置しなければならない。ほぼ強制と言っても良いだろう。

また、当該企業での勤務経験がなかった場合でも、親会社の取締役や親族を取締役にすることは、社外とはならないため、形式的な「社外」は通用しなくなる。

これらにより、大企業は、実質的に社外取締役を1人以上は置かなければならなくなる。


透明性の確保が期待できる


社外取締役を設置することでどのような利点があるのだろうか。

すぐに思いつくのは、企業内部者からしか取締役とならない場合、不利益な情報が社外に公表されない可能性が高まるということだろう。反社会的組織との交際、粉飾決算などは、会社内部のごく一部の者だけしか知らない状況で起こることが少なくない。企業外部から取締役が入ってくれば、こういった好ましくない行動を慎むことが期待できる。


また、不採算部門からの速やかな撤退も期待できるだろう。

社内取締役だけだと、自分の出身部門に愛着があるため、業績が悪くなって不採算部門となっても、それを温存する危険があるが、社外取締役なら、そういった主観が働きにくいため、不採算部門の切り捨てもしやすくなる。


海外からの投資を呼び込みやすい


社外取締役を置くことで、企業の透明性が増すと、海外からの投資を呼び込みやすくなるという利点もある。

4月21日付の日経新聞では、政府が21日にまとめた対日直接投資の報告書で、各企業に社外取締役を3分の1以上置くよう提言したことが報じられた。

日本企業の収益性の低さは、企業の透明性が欠けていることが理由で、従業員や取引先など様々な利害関係が複雑に絡み合っていることが、その一因だと指摘されている。こういった感情的な利害関係がからむと、外からは、なぜ収益面でメリットが低い契約をするのかがわかりづらくなる。

社外取締役を設置すれば、そのような不合理な理由で、企業活動が行われにくくなることが期待できるので、収益性の向上につながるというわけだ。収益性が向上すると、海外からの対日投資が増えることが期待できる。


日経新聞に掲載されていた2012年の対日直投残高は17.8兆円で、対GDP比で3.4%しかない。これは、経済協力開発機構(OECD)の平均約30%と比較すると著しく低い。

日本は世界第3位の経済大国だから、GDP比で対日直接投資が低くなるのは仕方のない面があるのだろうが、それにしても低すぎるのではないだろうか。


日本企業の閉鎖的な印象が、社外取締役の設置により少しでも解消されれば、対日直接投資が増える可能性がある。

例え法制化されなかったとしても、日本企業には、もっと多くの社外取締役を起用してほしいものだ。
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