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ゴールデンウィーク明けということで、経済関係の報道が少ないのだが、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、動きがあったようだ。

5月6日付の朝日新聞によると、牛肉と豚肉の輸入関税の原則撤廃を要求してきたアメリカが、姿勢を軟化させ、関税の維持を容認する考えを示しているようだ。牛肉に関しては、オーストラリアとの経済連携協定(EPA)でまとまった20%前後の関税で、アメリカも妥協しそうだ。また、豚肉の差額関税制度についても維持を容認しているが、こちらは1kg当たり50円程度まで関税を引き下げるように要求している模様。

高級品と低価格品で関税を分けることもあり得る


5月3日付の産経新聞では、牛肉に関しては、国内産が強い高級品の関税は20%前後を維持し、低価格品が強い米国産牛肉については9~10%で協議していると報じていた。

筆者は、食肉は国民にとって重要なタンパク源であるから関税を撤廃して、安価に供給されるのが好ましいと考えている。しかし、あまりに低価格の輸入牛肉が国内市場に出回ると、国内生産者への打撃が大きくなるので、そのあたりをどうするのかが問題だとは思っていた。

この問題に関しては、タンパク質の摂取が健康の維持には重要だということを国民に啓蒙することで、牛肉の消費量を増やし、生産者の利益を維持することが可能だ。ただ、牛肉の食べすぎは健康によくないという迷信を信じている国民が多いことから、消費量はすぐには増えないと思われる。


そうすると、別の方法で国内生産者を保護する必要が出てくる。

今回の産経新聞の報道内容のように高級牛肉には高めの関税を設定することで、生産者の利益を守ることができるのではないだろうか。安い牛肉を求める消費者は、今でも外国産牛肉を購入している。だが、高級牛肉を購入する消費者は、多くの場合、国産牛肉を選択しているはずだ。

このように高級牛肉は国内産、低価格の牛肉は輸入牛肉といった棲み分けができていれば、高級牛肉に高い関税をかけ、低価格の牛肉には低い関税もしくは撤廃ということで良いと筆者は考える。

ただ、将来的には、国内生産量を増やし、国産牛肉全体の価格を引き下げ、関税なしでも国内生産者が十分に生計をたてれるようにする必要はあるだろう。


豚肉の差額関税こそ早期撤廃が望まれる


食肉の関税については、牛肉よりも豚肉の方が問題が多い。

輸入豚肉は、差額関税制度が適用されているため、安価な輸入豚肉ほど高い関税がかかり、高級な輸入豚肉ほど安い関税がかかる仕組みとなっている。簡単にいうと、国内消費者が粗悪な豚肉に対して高いお金を払わされることになるのが、差額関税制度だ。

輸入豚肉の差額関税制度については、早期に撤廃するべきだと思うが、アメリカがTPP交渉で容認したようだから、今後も維持されるのだろう。現在1kg当たり65円以下の輸入豚肉には482円の関税がかかっている。これは異常な関税率だ。5月2日の時点では、50円程度の関税で調整をしているようだが、どうなるのかはわからない。


好調な馬刺しと豚流行性下痢


食肉つながりということで、馬肉と豚流行性下痢についても触れておこう。

5月6日付の朝日新聞で、馬肉の消費量が伸びていることが報じられた。

馬肉の食べ方で一般的なのが刺身だ。馬刺しは、牛肉よりも高級品ということで、不景気の影響から消費が落ち込んでいたようだが、アベノミクス効果で最近は消費が増えているそうだ。また、3年前の牛ユッケの食中毒事件の影響もあり、馬刺しは敬遠されていた。最近では、業者が冷凍設備に積極的に投資を行っていることから、食中毒の危険が以前よりも低くなっている。そういった安心感もあり、馬肉の消費が少しずつ回復しているのであろう。


逆に不安なのが、豚流行性下痢だ。

5月6日付の産経新聞によると、5日現在、長野で660頭の豚が下痢などの症状を見せており、うち58頭が死んだようだ。8日から県が予防のためワクチン接種を始めることになっている。これで沈静化すればよいのだが、どうなるのかはわからない。

こういった国内の食肉流通量に影響が出るかもしれないような事態に備えて、関税を低くするか撤廃しておくのが良いと思うのだが、そこまで考えてTPP交渉が行われているのかどうかは疑問だ。


なお、TPP交渉で輸入食肉の関税が低くなるか撤廃ということに決まったとしても、少しずつ関税を引き下げていくことになるので、すぐに輸入食肉が安くなることはない。10年も20年もかけて少しずつ関税を下げるようだから、関税が下がったと言って喜べるのは近い将来のことではなさそうだ。
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