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5月9日付の朝日新聞で、ヤマダ電機、エディオン、ケーズホールディングス(以下ケーズHD)の2014年3月期の決算内容が掲載されていた。

節電や消費税増税前の駆け込み需要などの影響が大きそうな業界だけに、大手3社の1年間の経営成績をこの機会に見ておくのも無意味ではないだろう。

大手家電量販3社の経営成績


以下は、5月8日に各社が発表した決算短信から筆者が作成した経営成績の比較表だ。

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売上規模は圧倒的にヤマダ電機が大きいのだが、各段階損益を見ると、3社ともそれほど大きな違いがない。また、3社とも前期より10%程度売上が伸びているので、この1年間の業績はまずまず良かったことが推測できる。

次に3社の決算内容を詳しく見ていく。


ヤマダ電機の当期純利益の伸び悩みは中国が原因


まず、ヤマダ電機から見ていく。

ヤマダ電機の1年間の売上は1兆8千億円で、他の2社の2倍以上の売上規模だ。

決算短信の「経営成績・財政状態に関する分析」では、株価上昇、円安などで景気が良くなっているが、欧州をはじめ海外の経済不安や消費増税後の一時的な景気減退などの先行きの不透明さがみられるとの記述がある。増収ではあったが、まだまだこの先どうなるかはわからないという不安が読み取れる。

家電業界では、夏季の気温上昇や電気料金の値上げ等に伴い冷蔵庫、エアコン等の省エネ家電が好調に推移したようだ。消費増税前の駆け込み需要、Windows XPのサポート終了に伴うパソコンの買い替えも市場の拡大に貢献した模様。下期の売上が伸びたのは、このあたりが理由と考えられる。


ただ、国内の需要は良かったものの、海外では中国に問題があったようだ。中国国内の地政学的なリスクに加えて効果的なサプライチェーンの構築ができなかったため、南京店、天津店、北京事業所等の中国における一部事業から撤退しており、その影響で、貸倒引当金92億円、関係会社整理損失引当金10億円を計上している。当期純利益が前年比15.9%減少しているのは、この影響が大きい。中国との付き合い方の難しさがよくわかる。


エディオンは店舗数の増加も好業績の理由か?


エディオンは、売上高が前期比11.9%増の7千6百億円となった。

売上増加の理由は、ヤマダ電機と同じく、円安による企業業績の回復、増税前の駆け込み需要といった内容のようだが、他に店舗数の増加も貢献しているように思える。

前期末の直営店とフランチャイズ店の合計は1,177店であったが、当期末は1,212店に増加している。テレビCMを見ていても、エディオンの出店がよく目についたので、そのあたりの効果もあったのではないだろうか。

また、エディオンはここ数年「エコ・リビングソーラー商品」に注力している。その影響なのか、商品別の売上高の増加率は、冷蔵庫26.5%増、洗濯機・クリーナー23.6%増、電子レンジ・調理家電17.8%増、エアコン28.0%増、住宅設備22.9%増と他の商品と比較すると増加率が高く、総売上に占める割合も比較的高い。

パソコンも27.4%増と好調だが、これはXPのサポート終了に伴う買い替えが含まれての数値だろうから、今後もこのように高い伸び率を示すかどうかはわからない。携帯電話についても売上構成比が高く、増加率も12.5%となっており、高収益に貢献したようだ。

エディオンは、どちらかというと、生活に必要となる白物家電が強いようだから、買い替えの際はエディオンに足を運んでみても良いだろう。


各段階損益に関しては、「-」となっている部分があるが、これは前期が赤字だったためだ。

前期は営業利益の段階で24億円の赤字となっていたが、当期は売上が好調だったため、137億円と大幅な利益増だ。経常利益、当期純利益も好調だ。

なお、経常利益は前期が1,476百万円、当期が14,883百万円、増加13,407百万円なので、増加率は907.9%なのだが、決算短信の「連結業績の概況」では、1,007.9%となっている。これは誤りと思われるので、有価証券報告書では、訂正されるだろう。決算短信は、公認会計士の監査が終わる前に公表されるので、監査済みの財務諸表で数値が変わることがある。株式投資をされている方は、決算短信だけでなく有価証券報告書にもしっかりと目を通してほしい。


ケーズHDは景気回復と増税前の駆け込み需要の影響が大きいか?


ケーズHDの売上は、前期比10.0%増の7千億円となった。

「経営成績・財政状態に関する分析」を読むと、景気回復による個人消費の持ち直し、猛暑によるエアコンの売上が好調だったこと、Windows XPのサポート終了に伴う買い替え、消費税増税前の駆け込み需要が、好業績の理由のようだ。他2社の好業績の要因と共通している。おそらく、家電量販大手3社以外も、同じような理由から前期よりも売上が伸びているだろう。

ケーズHDの決算短信で触れていた内容では、「アナログ放送終了に伴う地上デジタル放送対応機器への買い換えによ
る需要先食いの影響は残る」という部分が興味深い。地デジに移行したのが2011年7月で、2年半ほど経っているが、まだ、その時の買い替えの影響が残っていることから売上が伸び悩んでいるらしい。エディオンの商品別売上高を見ても、テレビは前期比7.1%増と全体の売上高の増加率よりも低くなっていたので、その影響があるのかもしれない。

3社とも、大画面、高画質のテレビの売上が好調に推移したようだが、買い替え目的でのテレビの購入は、それほど多くなかったものと推測できる。


なお、ケーズHDの当期末の店舗数は426店で、1年間の出店は38店、退店は11店だった。連結損益計算書の24億円の減損損失は退店によるものだ。他2社も退店に伴う減損損失が計上されているので、ケーズHDだけが特別ではない。


家電量販3社の総括


家電量販3社を総括すると、好業績の要因は、景気が回復基調にあったということも考えられるが、増税前の駆け込み需要の影響が大きかったと思われる。

3社の2015年3月期の業績予想は、ヤマダ電機が売上4.3%減、エディオンが売上0.4%増、ケーズHDが売上4.1%増となっている。いずれも、2014年3月期ほどは売上は増加しないとみているようだ。この業績予想は、2014年3月期の好業績が増税前の駆け込み需要にあったことをを示唆したものと読み取れる。


今春は、多くの企業がベースアップを実施したので、もっと強気な業績予想をしても良さそうに思えるが、経営側から見ると、まだまだ景気が不安定だということなのだろう。
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