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5月14日付の朝日新聞で、ハム・ソーセージ大手4社の決算内容が掲載された。

4社とも、売上高は前年度よりも増加しており、一見すると堅調に思える。しかし、この増収は、原材料価格の高騰による値上げの影響も含まれているので、売上増に貢献した他の要因も各社の決算短信から拾ってみることにする。

伊藤ハムと丸大食品の営業利益が減少


まずは、大手ハム・ソーセージ4社の売上高、営業利益、当期純利益の比較表を以下に示す。
ham.png
これを見ると、4社とも増収ということがわかる。特に日本ハムの業績が良く、売上高は10%近い伸びを示し、営業利益については27%も増益となっている。また、プリマハムも売上高が前期よりも10%伸びており、営業利益も21%増と好調だ。

上記2社とは逆に減益となったのが、伊藤ハムと丸大食品だ。伊藤ハムも丸大食品も、営業利益は13%の減少となっている。

朝日新聞の記事によれば、増益となった日本ハムは、原材料価格の高騰に対して早い段階で製品の値上げに踏み切ったが、伊藤ハムは値上げに数ヶ月遅れたため、営業利益に差が出たということだ。

値上げに踏み切る時期が数ヶ月ずれただけで、これだけ大きな差が出るのであるから、迅速な経営判断がいかに重要かがわかる。

次に各社の経営成績を決算短信から個別に分析する。


日本ハムは食肉事業の好調が営業利益増の要因


日本ハムの決算短信では、国産牛肉、輸入牛肉ともに相場が前期に比べて上昇し、豚肉、鶏肉相場も前期を上回り、堅調に推移しているという記載がある。他3社も同様の記載があることから、業界全体として良い傾向と言えそうだ。

しかし、これも4社共通しているのだが、原材料と資材燃料価格が高騰しており、飼料も高止まりしているため、コスト面では、楽観視できない。また、業界全体での競争も激化しているとの記述も見られる。

日本ハムは、コスト競争力の強化のため継続的に構造改革を進める一方、原材料価格の高騰に対応するため2013年7月にハム、ソーセージ、一部の加工食品の価格改定を行った。この価格改定が奏功し、加工事業本部の売上高は前期比3.8%増の3,519億円となった。しかし、原材料価格の高騰の影響で売上原価が増加したため、営業利益は32.2%減の64億円となっている。

主力ブランドである「シャウエッセン」や「彩りキッチンロースハム」において、テレビCMに力を入れたことが売上拡大につながったという記述もあり、単に値上げだけが売上増につながったわけではないようだ。

また、食肉事業では、豚肉相場の高騰で米州事業が回復に転じたことなどで、収益が大幅に改善している。食肉事業の売上高は前期比13.8%増の7,665億円、営業利益は前期比72.3%増の268億円となっている。

日本ハムの好業績は、豚肉相場の高騰が大きいように見える。


伊藤ハムは加工食品の利益が減少


伊藤ハムの加工食品事業は、ハム・ソーセージが主力商品の「アルトバイエルン」や「朝のフレッシュシリーズ」などの拡販を図り、キャンペーンやテレビCMの投入で販売促進、企業ブランドの強化に取り組んだこともあり、売上高は前期比3.6%増の2,598億円となった。

営業利益は、市場の低価格志向、原材料価格の高騰や燃料費の上昇により売上原価が増加したため、前期比35.0%減の32億円となった。


また、食肉事業は、米国をはじめとする食肉生産国での相場の上昇と円安の進行で調達コストが増加し、国内の食肉相場も前期を上回って推移した。輸入牛肉と輸入豚肉は、需要の変化と採算性を重視した販売戦略を展開。鶏肉は、輸入鶏肉の先物販売の拡大、国産鶏は得意先との取り組みを一層強化したことで、順調に販売数量を伸ばした。

その結果、食肉事業の売上高は前期比10.8%増の2,621億円となり、営業利益は前期比172.7%増の16億円となっている。


伊藤ハムは、加工食品事業での利益の落ち込みが減益の主要因のようだ。


プリマハムはコンビニを中心にPB商品に取り組んだ


日本ハムと同じく好業績だったプリマハムは、中期経営計画の収益目標達成に向けて、「売上の拡大」と「低コスト体質の推進」を重点目標と位置づけ、各種施策を講じてきた。

ハム・ソーセージ部門では、「香薫あらびきポークウインナー」をはじめとする重点商品を中心とした販売活動の他に商品企画数を削減したことで、販売数量の拡大に加えて、工場の生産性向上に寄与した模様。

原材料費の高騰などによるコスト増に対しては、茨城工場を中心に改善を行った結果、コスト競争力が高まったとの記述がある。

加工食品部門では、コンシューマー商品の拡販やコンビニを中心にPB商品に積極的に取り組み、業務用商品では中食や外食向けの商品に力を入れ販路拡大に努めたようだ。

こういった施策により、加工食品事業は、売上高は前期比3.2%増の2,015億円、営業利益は前期比21.1%増の82億円となった。


食肉事業は、「ハーブ三元豚」などのオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、食肉シェアのアップに努めるなど、売上の増加を図ったが、原材料価格の高騰などコスト高の影響で営業利益は減益となっている。食肉事業の売上高は前期比27.2%増の1,016億円、営業利益は前期比9.6%減の5億円となっている。


丸大食品は仕入コストの増加が減益の主要因


伊藤ハムと同様に営業利益が減益となった丸大食品は、加工食品事業も食肉事業もコスト高が減益の主要因となったようだ。

加工食品事業は、「燻製屋熟成あらびきウインナー」などの主力商品を中心に拡販に努めた結果、ハム・ソーセージ部門の売上高は前期比2.0%増となった。しかし、調理加工食品部門は、韓国家庭料理チゲの素「スンドゥブ」シリーズの売上高は堅調に推移したものの、コンビニ向けの商品が低調で前期比0.8%減となった。

その結果、加工食品事業の売上高は前期比0.9%増の1,501億円となった。また、営業利益は、原材料及び燃料価格の高騰や競合他社との販売競争激化といった理由から、前期比19.3%減の25億円となった。


食肉事業は、豚肉の売上拡大に力を入れたことから売上高は伸びたものの、仕入コストの高騰が利益を圧迫する要因となった。

その結果、食肉事業の売上高は前期比9.4%増の631億円となり、営業利益は前期の赤字から脱出したものの0.6億円と低調であった。


7月から各社の加工食品が10%値上げ


以上、ハム・ソーセージ大手4社の2013年度の経営成績をざっくり見てきたが、どこも原材料費や燃料費の高騰への対応が、経営上の課題となっているようだ。

5月12日付の産経新聞によると、日本ハムが7月1日にハム、ソーセージなどの加工食品を10%程度値上げする予定だ。小売価格が上がるのか、内容量が減るのかは、商品によって異なる。

また、5月14日付の朝日新聞でも、各社が加工食品を10%値上げする見通しだと報じられていたので、夏以降は、小売店でのハム、ソーセージの価格が上がることは必至だ。

原材料価格が高騰しているのだから、値上げはやむを得ないが、豚肉の場合は、悪しき差額関税制度が存在していることも、消費者の家計を圧迫している原因だ。TPP交渉でアメリカに頑張ってもらい、差額関税制度が速やかに撤廃されることを望む。


なお、筆者は、ロースハムとウィンナーは伊藤ハム、生ハムはプリマハム、ブロックベーコンは丸大食品のものを購入する傾向にある。日本ハムの商品は、ハム、ソーセージ、ベーコン、焼き豚を均等に購入している。
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